白鳥鉄道はライバルの黒鳥鉄道に負けそうだった。黒鳥鉄道の方が、特急の停車駅が多く、便利だった。これに対抗できねば白鳥鉄道に未来はない。
しかし、所要時間は白鳥鉄道の特急の方が速かった。その速さには根強い人気があった。特急をスローダウンさせてまで、停車駅は増やせない。
そこで、白鳥鉄道は特急よりも停車駅が多い準特急という列車を登場させた。
ところが次に、別のライバルの雷鳥鉄道の通勤快速の脅威が増大した。白鳥鉄道は特別快速を創設して迎え撃った。
いつの間にか、白鳥鉄道の列車種別は20種類を超えていた。
列車種別を増やしす過ぎて赤字が膨らんだ白鳥鉄道は、火の鳥鉄道と呼ばれやがて燃え尽きた。
(遠野秋彦・作 ©2013 TOHNO, Akihiko)